- なんの
- I
なんの(副助)〔名詞「なに」に格助詞「の」の付いたものから〕文または文節に接続する。(1)事柄を例示して並べあげるのに用いる。
「なんのと」の形で用いることが多く, 「など」の用法に近い。 「おなかがすいただ~と文句ばかり言っている」「まだ寝ている~と言って出てこない」
(2)(「…のなんの」の形で)程度のはなはだしいことを表す。II「うまいの~といって, ほっぺたが落ちるくらいだ」「痛いの~, 声も出なかった」
なんの【何の】〔「なにの」の転〕※一※ (感)相手の心配などを打ち消す語。 いいえ。 いや。「~, これくらい当たり前のことです」「『どうだ, 参ったか』『~, ~』」
※二※ (副)意に介しないという気持ちを表す。「~これしき, 負けるものか」
※三※ (連語)(1)物事の実体・内容が不明であると指示する。 どういう。 どのような。「庭には~木を植えようか」「それは~真似(マネ)だ」
(2)(否定の表現を伴って)何程の。 どれほどの。 少しの。「~遠慮がいるものか」「~苦労も知らずに育つ」「~役にも立たない」
(3)反語の意を表す。 (ア)何のための。「酒なくて~人生だ」(イ)どのような。 どうして。 「~かたき事か有らん/去来抄」
~いな(感動詞的に)大したことではない。 どうしてどうして。 なんのいの。「『お内義, 疵は痛みはしませぬか』『~, 我が手にした事を恥づかし』と/浄瑠璃・夏祭」
~彼(カ)のあれこれ。 いろいろ。 なんのかんの。「~(と)うるさいことを言う」「~(と)費用がかかる」
~気なしに特にそうするつもりでなく。 何気なく。~事は無・い(1)たいしたことではない。「怒られるかと思っていたが, ~・かった」
(2)期待していたほどのことはない。「~・い, ただの紙きれだった」
~そのものともしない, どうということもない, という意を表す語。「寒さなんか~」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.